de54à24

pour tous et pour personne

sakuraing, the wide blue yonder

河瀬の音が山に来る、
春の光は、石のやうだ。
筧の水は、物語る
白髪の嫗にさも肖てる。

雲母の口して歌つたよ、
背ろに倒れ、歌つたよ、
心は涸れて皺枯れて
巌の上の、綱渡り。

知れざる炎、空にゆき!

響の雨は、濡れ冠る!

・・・・・・・・・・・・・・・

われかにかくに手を拍く・・・・・・

中原中也「悲しき朝」,『中原中也詩集』(角川文庫) , pp.32-33)

  

 

 

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