de54à24

pour tous et pour personne

aesthetica

蛸と霧

仮にも研究者を志す者として、私は自分の感情というものとの間にいつも注意深く距離をとっている。資料を十分に公正に見、聞き、読むためにも、テクストを十分に平明に書くためにも、研究対象との間にある時間のなかで十分に思慮深く考えるためにも、自分の…

親愛なる神は細部に宿る

双極性障害研究ネットワーク(BDRNJ)のニュースレター*1をまとめて読んでいた。やっぱり、もう少し元気になったら遺伝子やゲノムについて基礎的なところだけでも勉強しよう。そういえば、物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)についてもずっと見に行こうと思っ…

ドラえもんはエナルゲイア

久しぶりの雨がしとしとと降り続いた一日。私は雨がきらいではない。自分の名前に「雨」という字が入っていてもいいな、と思うくらい雨を魅力的に思う。10歳かそのくらいの年の頃から、私は雨の日によく幻聴を伴った世界の異変──自分以外の周りの世界が段々…

エンパシー・メモランダム

Empathy, Experience and the Body in Art Historical Discourse Anthony Raynsford http://www.anthonyraynsford.net/Seminar_AR699Syl_Fall06.pdf ◎美術史的言説における感情移入、経験、そして身体[仮訳] GENELAL COURSE INFORMATION この十年ほどの間に…

認知療法と絵画修復

私は週に一度、web上で日本と英語圏の各新聞の書評欄をスキャンすることにしている。そして大抵の場合、数誌の書評から興味のあるものを日英各一冊ずつ選び、書店か大学図書館で入手し目を通す。今週の課題図書は、文句なしに立木康介先生の『露出せよ、と現…

無へ落ちる casus in nihilo

長いこと体調や情緒の安定に欠いた生活をしていると、もうそれだけで忙しく、他のことにはなかなか手が回らないものである。まるで言うことを聞かない小さなこどもを何人も抱えながら、食べることや眠ることも十分にできない母親のような状況とでも言えるか…