ベランダの住人たち
Le 2 mai 2014




アップルミント+オレンジミント ペパーミント+ホールズミント
+パイナップルミント +ブリティッシュミント+ラベンダーミント


プチトマト Le planteur A Le ciel


プチトマト Le planteur B プチトマト Le planteur B


mon chat アボカド 12個
ふと、そこにあった『花とアリス』(岩井俊二, 2004)を観た。ちゃんと観たのは過去に2度ほどだったと思う。この映画には「ありとあらゆる種類の」と形容したくなるほどの様々な有名人が登場するが、それが誰であったかは再度観てみないと確認できない。同様に、不思議なほどにこの映画のラストシーンもどのようなものだったかがいつまでたっても記憶されない。そして改めて映画はすごいなあ、と噛みしめる。なぜなら、何度も観た映画でも、必ず「知らないシーン」と出会うからだ。いくら一本の映画を観た!と思っても、人間にとって、二時間という時間のなかで同じ画面をずっと観続けることはほとんど不可能で、瞬きやそれより少し長い注意の断絶によって、必ずや観ていないシーンが生まれる。映画を何度観ても新しいシーンに出会うのは、このこぼれ落ちた時間を見つけるからに違いない。発見された未知なるシーンが思いのほか重要なカケラだったりすることもまた珍しくない。そしてなによりこの映画は、岩井俊二監督がカメラマン篠田昇と撮った最後のフィルムである。鑑賞者にとっての「観る」もそうだが、映画監督/映画作品にとってのカメラマンという眼がいかなる存在であるのかということを、花とアリスという可憐な少女たちの笑い声に見惚れながら、考えずにはいられなかった。