de54à24

pour tous et pour personne

Entries from 2014-01-01 to 1 month

雄鶏のパレード

今朝は病院があったのだが、体調が悪く外出困難が続いたために延滞しまくっていた図書館の本を返したくて、今日は予約時間よりずっと早く、朝7時を回った頃に大学へ向けて家を出た。キャンパスまでの道のりで大勢の人々とさわやかな気分を共有できるほど心身…

されど、死ぬのはいつも他人

学部時代の恩師は、よく彼の幼い頃の出来事について言い及んだ。それはある夜、布団にくるまる小さな彼をふと突然に「死」という概念が襲い、眠りどころか彼の小さな世界全てを錯乱に陥らせては、ついには彼を生きていられないほどの恐怖に引きずり込んだと…

嘘のないひとの嘘

ここのところ、ものの喩えではなく字義通りの意味で、週に一度は結婚妊娠出産いずれかのお知らせが届く。この知らせの多さは、私が大体四年毎に暮らす場所を変えてきたせいもあろうが、いつどこで出会った者であれ友人たちが新しい生活スタイルを叶える年頃…

On Colours: 愛の無言の言語

増薬のせいか、あるいは久しぶりの外出の疲れか、昨日きいたショッキングなニュースのせいか、いつにも増してつらい日中だった。陽光は去り、天空はいつのまにか深い藍に満たされると、隙のない寒さが街中に敷き詰められた。確か、下弦の月より少し若い月を…

dépaysement: 不安と順応

昨年末までの約一年半あまりを、ほとんど十分な休みをとることなく過ごしてきてしまった代償として、ここ数ヶ月の心身の不調と向き合わねばならなくなっているのだが、不調の三ヶ月目が終わろうとするいまとなっては、一年半の緊張による疲労よりもむしろこ…

山を乗り越える技術

ここ数日あまりにも月が強く光るので、カーテンを開けて長らく眺めていた。そのまま眠らぬまま朝になった。朝になるより早く19年前に阪神淡路大震災が起きた時刻になった──来年成人を迎える人たちは、この真冬の未明におきた大震災を同時代的には知らないと…

バートルビー、ある友についての覚書

成人式のニュースが度々目に入っていたせいだろうか、なにかがトリガーとなって気付けば尾崎豊についてのサイトを眺めていた。私は、リアルタイムで尾崎豊が歌っている姿を見たことがないし、また親も歌謡曲の類はサザンやユーミン、山下達郎などのフォーク…

眠れぬ夜の娘たち

眠りのない夜と、一日中巨大な睡魔に呪われる日が、数日毎にやってくる。増薬してから約一月が経つので、そろそろなんらかの明示的変化がみえてくる頃だが、未だ通院を断念するほどにも体調が悪い日も多く、明らかに精神的に不安定なようである。そうは言っ…

ラソモワール: L'assommoir

昨夜もまた一睡もしないまま夜が明けた。夕方、シャワーを浴びてから散歩へ出た。そのまま大通りのほうへ歩いた。日がすっかり暮れたばかりの街は、その他のどの時間よりも広く空も高いように感じる。書店に寄るつもりでいたが、体調が優れなかったので暖か…

親愛なる神は細部に宿る

双極性障害研究ネットワーク(BDRNJ)のニュースレター*1をまとめて読んでいた。やっぱり、もう少し元気になったら遺伝子やゲノムについて基礎的なところだけでも勉強しよう。そういえば、物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)についてもずっと見に行こうと思っ…

破戒 ── Brake the Commandment

島崎藤村『破戒』を読む。学部時代のゼミのある後輩が『破戒』を愛読書としており、事あるごとに藤村の話をしていたことを思い出していた──もともとは現代美術の批評を専門とする指導教官のゼミであったが、代々(指導教官も含め)むしろ美術以外の文学や音…

ドラえもんはエナルゲイア

久しぶりの雨がしとしとと降り続いた一日。私は雨がきらいではない。自分の名前に「雨」という字が入っていてもいいな、と思うくらい雨を魅力的に思う。10歳かそのくらいの年の頃から、私は雨の日によく幻聴を伴った世界の異変──自分以外の周りの世界が段々…

存在の耐えられない弱さ

ぼくの所属している美学会でも、かつては想像もできなかったようなテーマで研究発表したり博士論文を書いたりすることが許されている。それは、もちろんいいことである。ただ、ぼくが問いたいのは、そのことによって本当にぼくたちは20年、30年前よりリラッ…

エンパシー・メモランダム

Empathy, Experience and the Body in Art Historical Discourse Anthony Raynsford http://www.anthonyraynsford.net/Seminar_AR699Syl_Fall06.pdf ◎美術史的言説における感情移入、経験、そして身体[仮訳] GENELAL COURSE INFORMATION この十年ほどの間に…

「どうして私を生んだの?」

年末に二回、中学時代の同窓会が行われた(私は体調的、地理的理由から参加を見送ったがせめて体調がよければぜひ顔を出したかったと思う程度にはいまでも仲のよい友人たちの集まりである)。まわりを見渡してみると、古くからの友人たちの大体半分弱くらい…

ラボルドの城

今朝は私がすきな歴史家のひとりであるカルロ・ギンズブルグの本としばらく睨めっこしていた。そろそろ読めてほしい。具合が悪いとそのことばかりを考えてしまってよくないから、本に願うようにして読みたい本を開く。大晦日の夜に初詣に出かけて、元旦にお…

空の青み

もし私が、「人間とは、もうひとりのほかの人間を映す鏡である」と言ったとすれば、自分の思考を表現していることになる。だがもし「空の青は人を欺く」と言うとすれば、そうはならない。私が仮に、思考を表現しようとする人間の口ぶりをもって「空の青は人…

夢は短し磨けよ[無]知を

年末年始の来客と猫が帰って行った。どうやら人の身体が環境に馴染むには4日もあれば十分のようで、特に来客のあった日と来客の去った日は同様のおちつかなさを感じている。どうしたらいいのか分からず自分を持て余しながら部屋を行ったり来たりしていたが…

頌春

敬頌新禧 ちこり村のおせちと、二日前から仕込んでいたお雑煮。 今日は、夕方に我が家のご先祖さまが代々眠るお寺の本山へお参りをした。我が家のお墓は、代々引き継ぎ私の父で14代目となる。祖父が曽祖父より早くに亡くなったため、曽祖父が他界した際に…