de54à24

pour tous et pour personne

academic

詩人の想像力としての ¬

「私の感覚に現出する非感覚的なものの意味深さは、それゆえ私の感覚を震撼させる。このことについてたいそう意味深い苦情を呈する」。たまたま読んでいた書物の一隅に引用されていたミゲル・デ・セルバンテスの『ドン・キホーテ』からの一節である。音楽や…

家族の在処: Reconnecting laws to the systems

ここ数週間、400mgまで増やしたセロクエルを毎夜服用するようになってから、生活の主導権が完全に私の意思から眠りへと移っている。それまでしてでも身体や脳にまずは休眠を与えたいという主治医の方針に同意した上とは言え、増薬の引き金となった深い抑う…

エンパシー・メモランダム

Empathy, Experience and the Body in Art Historical Discourse Anthony Raynsford http://www.anthonyraynsford.net/Seminar_AR699Syl_Fall06.pdf ◎美術史的言説における感情移入、経験、そして身体[仮訳] GENELAL COURSE INFORMATION この十年ほどの間に…

ラボルドの城

今朝は私がすきな歴史家のひとりであるカルロ・ギンズブルグの本としばらく睨めっこしていた。そろそろ読めてほしい。具合が悪いとそのことばかりを考えてしまってよくないから、本に願うようにして読みたい本を開く。大晦日の夜に初詣に出かけて、元旦にお…

夢は短し磨けよ[無]知を

年末年始の来客と猫が帰って行った。どうやら人の身体が環境に馴染むには4日もあれば十分のようで、特に来客のあった日と来客の去った日は同様のおちつかなさを感じている。どうしたらいいのか分からず自分を持て余しながら部屋を行ったり来たりしていたが…

認知療法と絵画修復

私は週に一度、web上で日本と英語圏の各新聞の書評欄をスキャンすることにしている。そして大抵の場合、数誌の書評から興味のあるものを日英各一冊ずつ選び、書店か大学図書館で入手し目を通す。今週の課題図書は、文句なしに立木康介先生の『露出せよ、と現…

思考の経験としての臨床美学

今年の仕事の記録② 「思考の経験としての臨床美学のために──感情移入についての報告」 0. はじめに 2012年度に提出した卒業論文では、フランスの思想家・美術史家ジョルジュ・ディディ=ユベルマンによる「もうひとつの美術史」を手掛かりに、パノフスキー以…

空虚と充溢の器官なき身体

相変わらずのんびりと本棚の整理に励んでいた。しかし、片づけているのか、本を読んでいるのかよくわからないといったペースのせいで、片付く前にそろそろ飽きてきそうである。気分転換にPCのデスクトップの片づけもしたため、発掘された今年の学びを拓本が…